アンダルシアの人々とギター -人々に寄り添う音楽-

アンダルシア地方を旅してみて、

街中で印象的だった光景


それはいたるところにギターを弾き歌っている人がいること。



そしてそれはもやは街の景色の一部として欠かせない風景になっています。





スペイン発祥のこの楽器は

アンダルシアでフラメンコに使われ始めたことにより、一層人々に馴染み深い楽器として今に至るまで繋がれてきました。



ガルシア•ロルカが詩の中に謳ったギターが

その地の人々を比喩し、

また絶望や苦悩に置かれた人々に寄り添う守り神のような存在であるように、
アンダルシアの人々にとってギターはもはや身体の一部のようなものなのかな。



そんな風にその土地に代々受け継がれてきて、
人々に寄り添う音があることが
とてもステキだなと思いました。



「ギター」


ギターの
すすり泣きが始まる。
夜明けの
盃が割れる。
ギターの
すすり泣きが始まる。
それを黙らせようとしても無駄。
それを黙らせることは
不可能だ。
ギターは泣く 単調に、
水が泣くように
降りゆく雪の上で
風が泣くように。
それを黙らせることは
不可能だ。
ギターは泣く
はるかなものを求めて。
白い椿を探し求める
暑い南の国の砂。
ギターは泣く、
標的のない矢、
朝のない日暮れ、
そして 枝の上の
最初の死んだ鳥。
おお ギターよ!
五本の剣で
重い傷を負わされた心臓よ。

(ガルシア•ロルカ     カンテ•ホンドの詩より) 







文化の発展と継承、
大切なものを守りつづけ繋いでいく
ということはこういうことなのかなと気付かされた
アンダルシアの街の一コマでした。







岡村亜衣子

岡村亜衣子 Aiko Okamura | Violinist

Violoniste Japonaise à Paris パリ在住ヴァイオリニスト 岡村亜衣子 オフィシャルサイト

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